そういうときにこんなものを読んだ。
日本の列車貨物輸送の不幸は、列車貨物輸送からトラック輸送の転換期に国鉄ストが続発した点にある。スト対策のためにトラック輸送を強化した結果だが、環境側面でモーダルシフトが再び注目を浴びていても戻りが遅いのは、企業のロジ担当者にあるトラウマも大きいと思う
— Tsuchi Dynamics & Coさん (@tsuchie88) 2013年1月25日
日本の鉄道貨物輸送は、スト権ストなどの定時制喪失で競争力を失ったという定説が信じられて久しいが、日本のような海運国で戦時中無理に陸上輸送した経験が鉄道貨物輸送の構造転換を遅らせたという認識は少数派である。上越線すら許容総屯数が1,000tを切っていたのは、一昨年の迂回輸送で明らかになったとおりだが、タキ38000すら20両強しか繋げない貧弱な輸送力は北朝鮮を笑えないのだ。このあたりは戦時海運政策研究論文が数篇存在するのだが(「戦時中の北海道石炭輸送」古川由美子)、だいたい青函連絡船に石炭積貨車を載せるという非効率な輸送方法を取った段階で目を疑う。更にそれすら不足し機帆船で日本海経由で運び、そこから羽越・上越線経由で関東地域に輸送する非効率な手法が実施されていたのだ。同論文が例の「機帆船ニ依ル北海道炭海上輸送ニ関スル件」に言及していないのは不可解ではあるが、当時は目録も整備されていないから見落とされた可能性はある。