「寿都町史」に見る寿都鉄道

http://d.hatena.ne.jp/SY1698/20150126 のつづき
寿都町史」(寿都町, 1987) に見る寿都鉄道の記述は断片的ではあるが、同社の経営が戦後一貫して危機的水準にあったことを伝える。「各駅貨物発着調」(p.140) では、1953年度の寿都駅からの発送が24,770t (一日あたり67t=ワム車換算4〜5両/日)、「各駅乗降客調」(p.141)では、乗降客平均が寿都駅で238人/日。こういう状況で鉄道を維持できようはずもない。
さらに「昭和43年度」の項目には

また、この議会で協議の結果、寿都鉄道対策のために、特別委員会を設けることとなった。寿都鉄道は、町の損失補償*1によって運転資金を借り入れて以来、事業をバス、ハイヤー、砕石コンクリート製造部門に絞り、人員整理、赤字の鉄道の休業などにより体質改善に努めてきた。しかしいまだに新線建設着工に至らないため、議会では、今後更に寿鉄対策を検討する必要があるとして、特別委員会を設置することに、なったものと説明している。*2

*1:「債務保証」の誤りであろう。ただし、町が一企業に債務保証するということがあるのか不明瞭。

*2:前掲書, p.308-309