分け入っても分け入ってもクソ決算

http://d.hatena.ne.jp/SY1698/20160519 のつづき。
鍼を打った後気分を落ち着けるために、寿都鉄道の決算公告を眺めていた。
「踏み倒し会計」と「国鉄への借金返済」という経営内容はおおむね的を得ていたのだが、実は「預かり精算運賃」は官報への掲載をやめたのち激減しているという話もある。実態は「クソ決算」以外の何物でもないのだが、ここで気になる記述がある。
http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000194674

貸借対照表→流動負債→短期負債→未払金→精算連絡運賃(S35)、貸借対照表→流動負債→営業債務→精算連絡運賃(S36、37) 貸借対照表→流動負債→営業債務→預かり連絡運賃(S39〜)

ここでは「分割承認連絡運賃」なる項目は記載されていない。私鉄運輸統計において斯様な科目は果たしてどこに分類されるかと考えたのだが、一つは「短期借入金-その他」、もう一つは「流動負債-その他」。精算連絡運賃残高が激減したのは単に輸送量の減少を示しているだけであって、実際はこの勘定残高は残っていた可能性もある

それ以上に驚倒すべき事実があり、第70期(1962/3)〜第72期(1964/3)の「減価償却引当金」残高は動いておらず、さらに私鉄運輸統計昭和42年度版(1968/3)を見ると寿都鉄道だけが「減価償却費」ゼロなのである。戦後になって減価償却費の計上を行わなかった会社などここくらいではなかろうか。

なるほど不審火で社屋が焼けるのも (以下自粛