http://d.hatena.ne.jp/SY1698/20150118 のつづき。
「線路のない時刻表」新潮社 (1986)
「北越北線工事誌」鉄建公団東京支社/関東支社 (1998)
「ほくほく線の十年」北越急行 (2008)
- 作者: 宮脇俊三
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/03/11
- メディア: 文庫
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「鉄骨の支柱が内側に歪んでいる。ガサっと泥岩が欠けて落ちて、足もとにころがってくる。山が動いているのであろう。気持のいいものではない」*1
また、新潟県は第三セクター鉄道の設立には当時消極的だったのは事実だが、道路も整備された平野部と、一度積雪に覆われれば大迂回を強いられる山間部とは鉄道路線への渇望度合いも異なろう。それが沿線17自治体を結束させ、田中角栄の力をもって「第三セクター方式しかない」と言わせしめた原動力でもあろう。
通史は「ほくほく線の十年」が詳しく、工事内容については「北越北線工事誌」が詳しい。なにしろ800頁の約10%を「鍋立山トンネル」に費やしているのだから。
写真のミニベンチ工法でさえもこの始末だったという。
変更当初はショートベンチ工法での変位量の1/3〜1/2であったものの、33km225m〜240m間で上半切羽の押出し、核部の崩壊、支保工の座屈等により、掘削断面の縮小に至る大変状となった。この時の最大土圧は135tf/㎡を記録している」*2
あと総工費であるが、内訳が前掲書(p.9)にある。AB線 102,603百万円 (うちずい道費 60,839百万円)、高規格 25,460百万円。詳細はもう少し検証する必要があるが、第13期決算で実施した圧縮記帳額にほぼ見合う。