「IRFS」は金科玉条ではない。しかし。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20100614/214948/

真理はひとつだけ気になることがあった。達也が言った「IFRSは出荷基準を認めていない可能性が高い」という言葉だ。IFRSでは、出荷基準を全面的に否定しているわけではないということだ。真理がその理由を尋ねると達也からこんな答えが返ってきた。
「受注した商品を継続して得意先に出荷し、よほどのことがない限り返品がない会社を考えてみよう。このような会社にとって、倉庫から出荷された時に売り上げに計上するようにすれば、売上高は自社の情報に基づいて素早く計上できる。しかも、製品在庫データと売り上げデータを完全に連動させられる。しかし、もし出荷基準を否定して到着基準にすれば、システム変更に多大の費用がかかるし、経営に必要な情報が遅れるから業務フローやシステムを変えなくてはならない。このような場合、あえて到着基準に変更する必要はないと、とボクは思うんだ。原則と照らし合わせて、自分の会社にふさわしい処理基準を決めなくてはならなくなる。今までのように、ここの基準は認められているからこの処理方法にしました、という言い訳は通用しなくなるということだ」

作者の見解ですね。実際問題、貿易取引で「IRFS」を厳密に適用することは不可能。「客先指定業者渡し」(FCA)の客先検収時期を知りうる術はない。つーか、無理に適用しようとしたら経理系から業務系までのシステムが崩壊する。
問題になるのは、今回のFOIのような、一件もの案件で「引渡基準」を悪用するケース。建設業、システム開発業とか、そのあたりに網を張るのが主眼なんだろうと考える。もっとも、最近の会計士も質が低下しているから、そういう背景を理解できずに「IRFS」を錦の御旗として会社に無理をいう馬鹿が増えるんだろうなー。何のために「残高確認」が会計監査人に義務付けられているんだと。