磐梯急行電鉄のあかん有報や

今日はリールを何本回したんだろうか。都合10本回したことになるのだが、その中でも一番の成果は「磐梯急行電鉄」の有報を閲覧したことであった。何しろこんな損益とかあり得んという話で、特に社名変更前(日本硫黄観光鉄道)時代から不適正意見のついた財務諸表のまま提出だとか、磐梯急行電鉄以後は異常に長い監査報告書に簿外資産だとかその土地売却益を売り上げに組み込んだりだとか常軌を逸しているとしか言いようのないクソ決算であった。ここに四期分の損益計算書貸借対照表を晒してみる。細かい科目まで言及するときりがないので抜粋版。

[損益計算書: 百万円未満切捨]

科目 1966/9 1967/3 1967/9 1968/3
売上高
268
778
1,171
営業利益
-39
-18
418
121
当期損益
-69
-39
368
49

[貸借対照表: 百万円未満切捨]

科目 1966/9 1967/3 1967/9 1968/3
流動資産
277
203
696
1,648
固定資産
292
298
314
457
繰延資産
16
13
11
16
資産の部
577
506
1,022
2,171
流動負債
430
386
402
1,466
固定負債
69
82
208
188
負債の部
500
468
610
1,655
資本金
154
154
300
300
資本剰余金
60
60
98
98
利益剰余金
-136
-176
14
69
株主資本
77
37
412
467
負債資本計
577
506
1,022
2,122

1967/9決算では「土地売上利益」550百万円を営業利益に入れて*1、その分が受取手形なわけですな*2。さらに1968/3決算では受取手形がなくなった代わりに未収入金608百万円*3、商品537百万円*4とか異常に膨れ上がったあげくに、退職給与引当金の取崩22百万円がありながら未払退職金67百万円とかもうめちゃくちゃ
踏み倒し会計やるきまんまん フラグ立ちまくりですがなw

ただし、これについては社長よりも副社長のほうが曲者で「住谷甲子郎」でググる「株式会社増資実務知識」といったブラックジョークの極みのような著書がボコボコ出てくるのだ。年代から言って同一人物としか考えられない*5。掘り下げれば掘り下げるほどろくなつながりが見えてこないが、とりあえず今日はこのくらいで

*1:簿外資産なので原価ゼロとかありかそれ

*2:500百万円、期日1968/3

*3:575百万円が土地代金

*4:群馬県嬬恋村土地250百万円、鎌倉市極楽寺土地220百万円

*5:大蔵省東京財務局〜財団法人大蔵財務協会出身