「為替を注視する」だけの簡単な仕事です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110730-00000080-mai-bus_all
http://d.hatena.ne.jp/keiseisaimin/20110728
今の政治空白時期に、日銀も独立性のみを標榜して「為替を注視する」だけの仕事にとどまっているようでは、更に円高が進んで企業の自己資本が毀損されるだけなのだが。その理由は自分のコメントを読んでくれ。
http://d.hatena.ne.jp/keiseisaimin/20110728#c1311783299

「為替換算調整勘定」は資本の部に算入されますので(SEC基準だと「包括利益」の中に入る)、企業の自己資本を毀損しているのは事実です。為替そのものは企業が自力でどうすることができないので、国が「注視」したまま何もしなければ、企業の自己資本(株安とのダブルパンチで)激しく毀損されます。ちなみに「為替換算調整勘定」は海外進出度の高い企業と、古くから海外進出している企業が大きな影響を受けています。

補足しておくと、上場企業が所有する持合株式は市場の株式価格で時価評価するので、円高で株安が進めば、自己の海外投資評価損と、持合株式評価損とダブルで効いてくるということ。さらに貿易取引の基軸通貨は米ドル建てがほとんどだから円貨での受取額も目減りするので、円高が進めば日本経済にはダブルパンチどころかトリプルパンチで効いてくる。その次に的外れなコメントを寄せているものがいるので、それに対する反論も記載済。為替ヘッジは売掛・買掛金程度(せいぜい6ヶ月以内)の通常取引決済にしか効果はなく、長期間の投資に対する為替ヘッジなんてものは存在しない。むしろそれは貿易保険の領域である。