日本の不幸は「競争」いや「闘争」不足。

政治的空白による信用の低下などもはやわかりきった話で、結局、意思決定権者に「数理への決定的なセンス」「判断力に対応する決断力」の双方が欠けていることが最大の不幸であろう。戦時と同じで、「下士官は最強」だが、純粋培養された幕僚クラスが致命的にアホ。判断はできるが決断がダメ。純粋培養も必要なのは言うまでもないが、ただし失敗の経験のない人間は「判断」できても「決断」ができない。決断力のある人間との交配(経験の共有化)が必要だが、圧倒的にそれが欠けているということ。
中国も日本以上の官僚国家ではあるが、それでもなお政策決定力において中国の後塵を配しているのは、日本の組織は「判断力」だけで務まっていた、極めて「甘ちゃん」なものだということ(中国の場合、地域間闘争が激しい)。どんな組織にも「政治」はあり、決断を迫られる場面は必ず生じるが、それを鍛える組織を作らなかったことが、今になって仇となっている。