誰もついてこれない「組織論」と「分析論」。

人間の営みは組織に現れ、結果は数値に現れる。
組織は人間の生々しい本質であり、極論すれば「3人寄れば3すくみ」。数名程度の集まりでも組織を腐らせるには十分である。とはいえ、「組織」は「政治」に繋がるので、「政治性」を否定した組織はありえず、その中で自らが生き抜くにはそれを突き抜けた倫理観が必要である。
数値は人間よりはまだ信用がおける。集計された数値は微々たるものの積み上げであるが「戦略は細部に宿る」。人間の発言は記憶に基づくものであり、それはある一定の「思い込み」を発端とするため、その信憑性を100%担保することはできない。また、数値は人間の力で偽装可能ではあるが、その偽装された数値すら、ある種の歪な動きを示す。それこそが「欺瞞」のある種の限界を示しているのだ。それすらも読み込むことに分析論の本義はあるが、残念ながらそこまでの思想性を持った教育は(おそらくは)なされていない。

ぼく自身あるいは困難な存在 (ちくま学芸文庫)

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荘子 第1冊 内篇 (岩波文庫 青 206-1)

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