沈むのは来年。間違いない。

中国株式市場の高騰が止まらない。大きな要因は「買えば上がる」と信じる「株素人」の急激な市場参入だ。投資知識がないにもかかわらず、預金や年金を解約して購入する個人投資家も多く、「狂騒」とも形容される中国株式市場への「幻想」は膨らんでいる。中国メディアは、バブル崩壊で一気に株価が急落した「日本の悪夢」を取り上げるなど警鐘を鳴らしている。(以下略、5/28北京時事)

佐藤守氏の5月18日付日記でもその異常性を取り上げているが、「絵画」まで相場の対象となっている時点で、これは「水準点」を超えたという証拠だから、かなり危険な兆候である。

今まで、中国は「不動産」の価格のみが上昇してきたきらいがあるが(答えは簡単。自分=地方政府=共産党幹部で地上げして、地目変更して、評価額を変えるだけだから)、それもさすがに水準点を超えてきた。そこで、今まで低迷してきた「株式」に目が向かう。もともと、中国における「株式市場」というのは歪なもので、上場会社の親会社に国営企業(「〜集団」)が居座ったまま上場するのでは、何のための株式市場なのか、と思うのだが*1、そういう体質を温存したままで株式を公開したものだから、株価が公開時の株価を上回ることがない、ということが常態と化していた。

そこへ、不動産に回せなくなった資金が一気に流入。それと同時に、保険会社などで株式資産の運用が可能なように法律が改正された。そこで、今まで有り余っていた資金が一気に株式相場に流入、相場を押し上げた。そのスピードたるや、半端なものではない。半年間で倍になるという相場が、まともなはずがない。

一応、現在の株高も来年までもってせいぜい、それまでは投信持ったまま様子見、というのが中国人のスタンスのようだ(株式は乱高下が激しく、為替は利幅が薄い)。まあ、今から参入するというのは、リスクしかないので、遠目に眺めておいたほうがいいかもよ。

*1:日本でも日立、NECなどにみられる「親子丼上場」があるので、非難できる資格があるかどうかは微妙