3事業への投資を中止→資金繰り?

家電大手のTCL集団は11日、他社の買収など予定していたプロジェクト3項目への投資を中止、投資に向け準備していた9億5,000 万元を流動資金に充てると発表した。TCLアルカテルなど、合弁子会社の不振が背景にあるとみられる。12日付南方都市報が伝えた。投資を中止したのは同業他社などの買収および合弁設立、2.5Gコードレス電話、冷凍設備用半導体の3項目。同社はこれまで、他社の買収に向け2億3,000万元を、またコードレス電話に2,700万元をそれぞれ投じているが、事業規模は現状維持とし、これ以上の投資は行わない方針。同社は今回の措置について「現時点での他社買収・合弁設立はリスクが大きい」「コードレス電話および半導体事業の市場が不安定」などを要因として挙げている。(11/14NNA)

12日付香港紙・信報(2面)などによると、中国家電大手のTCL集団(広東省恵州市)は11日、キャッシュフローの確保を目的に、現在進行中の投資計画3件を中止する方針を発表した。中止になる投資計画の規模は約9億5000万元。市場調査などの結果、企画段階に比べリスクが拡大したと判断した。中止を予定しているのは「デジタルコードレスホン」「半導体冷却」「企業買収」の3つの投資案件。デジタルコードレスホン事業については、総額1億8000万元を投じ、2.4GHz帯の製品を開発する計画だった。現在までに2700万元を投じたが、残りの投資は見送る。半導体冷却技術の開発については、当初2億元近い投資を予定していた。現在まで実際の投資は行っていなかった。企業買収については、10億元規模の投資を予定しており、現在までに2億3000万元を投じている。同社は声明で「残る7億7000万元のうち、6億元は使途を変更する」と公表した。現在の財務状況で従来通りの大規模な買収活動を続けた場合、経営資源が分散する恐れが強いため、現在の投資準備資金はキャッシュフローの改善に充てる。
同社は昨年1月の深川証券取引所上場以降、仏トムソンとテレビ製造合弁会社、仏アルカテルと携帯電話機合弁製造会社を設立したが、合併効果は思うように上がっていない。TCL集団が10月29日発表した1−9月期決算は、売上高が前年同期比42%増の365億3000万元となる一方、最終損益は11億3800万元の赤字だった。李東生董事長兼総裁は「生産コスト上昇に加え、事業経費や財務経費の増大が響いた」と説明した。同社は決算発表の際、年内の黒字化は望めないとの見通しを明らかにした。傘下の香港上場2社の同期決算を見ると、携帯電話機製造のTCL通訊科技は、最終損益が13億1300万香港ドルの赤字と前年同期の1億5500万香港ドルの黒字から赤字に転落。売上高は前年同期の51億7500万香港ドルから40億2100万香港ドルへと減少した。テレビ製造のTCL多媒体科技は、最終損益が2億7500万香港ドルの赤字と前年同期の3億3000万香港ドルの黒字から赤字に転落。売上高は前年同期の148億2800万香港ドルから240億4000万香港ドルへと増加した。(11/14時事)

増収減益、おまけにクソ赤というのは銀行が資金を引き上げたから、運転資金確保のために投資案件を中止したのかと邪推してみる。