生産統計で見る「若松車輌の黄昏」

鉄道車両工業」の1978年版以前には各鉄道車両メーカーの生産統計が細かく開示されている。それを基に若松車輌の生産両数を書き起こしてみたが、この段階でこれでは死亡不可避という状態だった。1974年度の生産数が一時的に増加しているが、これはサウジからの無蓋車受注(170)によるもので、実はこの段階で鉄道車両メーカーとしては終わっているという感がある。貨車専業メーカーとしてはこの他に富士車輌があったが、同社は橋梁産機・特装車部門を持っていたのと宇部興産傘下に収まったこともあり貨車生産そのものは1973年度の親会社向け1両を最後に輸出向けに転換し1976年度以後は大幅に生産数を伸ばしている。それに比べると若松車輌の生産数の貧弱さが際立っているが、その前の10年を調べてどのように推移しているか見ていきたい。

【年度別生産実績】

会 社 名 1973 1974 1975 1976 1977
若松車輌
28
200
90
90
20
富士車輌
1
0
0
184
142