結局「アメ車」はお荷物であった。

【ニューヨーク14日時事】自動車大手ダイムラークライスラーは14日、業績不振の続く米クライスラー部門について、全従業員の16%に当たる1万3000人の削減と工場閉鎖を柱とするリストラ計画を発表した。2008年までの黒字化を目指すとしている。また、ツェッチェ社長は「最良の解決策を見いだすためには、いかなる選択肢も排除しない」と強調、クライスラーの分離や売却、他社との提携の可能性を否定しなかった。
発表によると、閉鎖されるのはデラウェア州ニューアークの組立工場。ミシガン州ウォーレンなどにある他の3工場も生産縮小に踏み切る。これにより、生産能力を年産40万台削減する。人員削減は工場従業員1万1000人と事務職員2000人が対象で、早期退職制度の適用などを通じて3年間で実施する方針。このほか、環境対応車の強化を目指し、新型エンジンの開発などに30億ドルを投資。09年までに20以上の新型車を市場に投入する計画を公表した。
クライスラー部門は、ガソリン高を受けた小型トラックの不振や日本車メーカーの攻勢に伴う市場シェアの低下を受け、昨年の営業損益は14億7500万ドルの赤字に転落。ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーターも大規模なリストラを行っており、米ビッグスリー(3大メーカー)の苦境が浮き彫りになった。

アメリカにおける強すぎる労働組合(=産業別組合)の存在が、かえって競争力を下げてしまった側面がある。これは自動車業界だけではなく、鉄鋼業界も同じ。*1ただし、アメリカにおいては国民皆保険制度を採っていないため、国家の負担すべきコストを企業が負担してきた側面もあるわけで、極めて微妙なところである。

*1:その逆が「ウォルマート」に代表される小売業界