対日関係改善を模索?

【北京25日時事】中国外務省が、昨夏のサッカー・アジアカップの日中両代表による決勝戦後に中国人サポーターが襲撃した日本公使の公用車の破損について事実上の「補償」に応じたことは、中国政府が靖国問題などで冷却化する対日関係を重視し、改善を模索している表れだ。公用車襲撃のほか、今年4月に中国各地で発生した反日デモの際も北京や上海の日本公館の窓ガラスが割られ、これら2つの「反日事件」では日本側に実質的被害が出た。「日本の国民感情が絡む事件」(日中関係筋)でもあり、中国政府が決着に向け、どこまで誠意を示すかが注目されていた。
公用車襲撃では日本側が要求した約25万円に対し、ほぼ満額の回答。公館の破損でも中国側は「破損した部分は元と同じ品質のものに原状回復する」姿勢を示すなど、「積極的に対応している」(同筋)という。
国際社会では当然とされるこうした対応も、中国政府にすれば、歴史問題に厳しい国内世論に配慮しないと「対日弱腰」と批判されるという懸念が強い。対日関係を重視する姿勢を示しながら、国内向けには、小泉純一郎首相の靖国神社参拝などを厳しく非難する苦肉の対日政策を取らざるを得ないのが現実だ。

【北京25日時事】昨年8月に北京で開催されたサッカー・アジアカップの決勝戦で中国が日本に敗れた後、暴徒化した中国人サポーターが日本の駐中国公使の乗った公用車を襲撃した事件で、中国外務省は25日までに、日本政府の求めに応じ、破損した公用車の修理代として人民元で約25万円分を支払った。「反日」暴動に中国政府として異例とも言える事実上の補償措置を取った形だ。日中関係筋が25日明らかにした。
事件では、サポーターが原田親仁公使(当時)らの乗った公用車の後部ガラスを石で割り、車体も大きくへこんだ。日本側は被害額を約25万円と見積もり、補償を要求。北京市公安局は事件から9日後に実況見分を実施した。それ以降は動きがなかったが、事件から1年近くたった今年7月下旬に、修理代が支払われた。
一方、4月に中国各地で発生した反日デモで、窓ガラスが割られるなど被害を受けた北京の日本大使館と大使公邸、上海の日本総領事館の3公館の補修をめぐっても、日本政府は中国政府との交渉で、被害額を五千数百万円とする見積もりを提出。交渉では破損した部分と同じ品質のものに原状回復することで中国側も同意し、日中政府間の詰めの交渉が続いている。
公用車襲撃では、北京市公安局側が事件直後、大使館担当者に電話で「警備上の不備があった」と認めたが、中国政府はこの事件と反日デモについて、公式の「謝罪と補償」には応じないとする姿勢を崩していない。対日世論が厳しい国内に向けて断固たる姿勢を示す一方、対日交渉では「原状回復」という形で事態収拾を図る狙いがあるとみられる。

というわけで奥田某密談の裏にはこういう話があるわけで。いつ上海領事館が原状復帰することになるやら。