1946年度に中国(国府)向けに無償輸出された7両は「II」において、汽車製No.2451-2457を想定していたのだが「車番集成」を読みなおしてみた結果、以下の事象が考えられることが判明した。
川崎製No.3090-3091: 朝鮮ミカシ27,28振替 → 華北ミカ
川崎製No.3112: 華北ミカイ
川崎製No.3113〜3116: 華北ミカイ仕掛 → 交易公団ミカイ(韓国向)
一応こちらでも7両という数は一致する。
どちらにしろこの時代は連合国指令がなければ輸出すらできなかったわけで、そういう形で出したことにしたのかそこはよくわからない。どちらにしろ当時の刊行物ではなかなか追い切れない部分があるがゆえに、今後の検討課題といえる。
さらにこれが国交樹立前の中華人民共和国向車輌輸出となるとさらに闇の中で、森製作所が最後に製作したDL2両はどのような形で輸出されたか詳らかではない。1958年の長崎国旗事件を考えると、竣工年度は1958年ではなく、1956年の上海見本市の可能性が高いのだが、扱い商社がどこなのか今となってはそれを調べぬくことは不可能である。*1 それ以外にも、日車6tDLを「中国」向けと捉えるか「中国地方」の建設業者と捉えるかも判断が難しく*2、これはいつか草稿をまとめ直す際の課題となろう。更には通関上の品目と、輸出統計上の品目が同じかどうかという保証もないので、推論を組み立てていかざるを得ないのに変わりはなく、やはり3年前からほとんど一歩も進んでいないというのが実情だ。
- 作者: 名取紀之
- 出版社/メーカー: ネコ・パブリッシング
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