復活の「OSK」73年ぶりの東京公演。

本来は宝塚歌劇団ではないので「歌劇」カテゴリーをおこしてみる。
当初は2月の中日劇場進撃を考えたが、家族持ちの身でそうそう遠征を繰り返すわけにも行かず、また資金繰りの問題から敢えて見送った経緯がある。そのような中、OSK(大阪松竹歌劇団)の東京公演を知りチケットも比較的余裕があったので、いま見ておかねば次はないという危機感のもと先月下旬に手配した。公演日数の少なさは規模的な問題もあろうが、近鉄撤収後は資金難と団員の離散により長期公演を行う力がなかったのが最大の要因。
http://www.osk-revue.com/

今回の東京公演は日生劇場東京宝塚劇場の隣)。客層は比較的落ち着いた雰囲気で、平均年齢は宝塚より少し上だが(「OSK」を知る者が圧倒的に少ないため)比較的若い女性の姿も見られるし、何しろ自分のような「野郎一人観劇」もぽつぽつ存在する。
レビュー自体は二部構成で、第一部「桜絵草子」が和物、第二部「Catch a chance, Catch a dream」が洋物。一般的には「ダンスのOSK」として知られるが、「春のおどり」の存在も有名。全体を通じてテンポの早さと一糸乱れぬダンスの切れに特徴があり、特に第一部、和装は非常に動きづらい上に粗が目出ちやすいので、全員が機敏かつ美しい動きができるのには感動を覚えた。第三景「鶴」と第八景「フィナーレB」(角獅子)は必見。「東京ブギウギ」を第一部に持ち込むところが(お約束ではあるが)面白い。
第二部も旧来のレビューの型を活かしながらもバラエティーに富んだ構成となっており、第三景「砂漠の幻惑」や第六景「ピエロの恋」は今や宝塚でも見られないような独自性を感じ、また第七景「ラプソディ・イン・タンゴ」は「801」気味なオチに膝を打つ。あと第十景「ラインダンス」は期待を裏切らない。公演後のフリートークは、皆慣れていないのでだいぶ緊張しているということが見て取れたが、それだってむしろ当然なわけで、73年ぶりの「伝説」を見ることができただけでも儲けものだ。


公演での「桜咲く国」は後者のようにもっとアップテンポとなり、桜色の傘を回しながら開けたり閉じたりするのが伝統的なフィナーレ。