読売新聞は「杉原千畝」氏の足跡を知らぬようだ。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120606-OYT1T01021.htm

 玄葉外相は6日の記者会見で、シリア政府が5日、日本政府に対し、鈴木敏郎駐シリア日本大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」と通告し、受け入れを拒否したと発表した。鈴木大使は3月からヨルダンに退避して業務にあたっている。日本政府が5月30日、シリアでの市民殺害に抗議し、アルハバシュ駐日シリア大使に国外退去を求めたことへの対抗措置とみられる。外務省によると、日本人外交官がペルソナ・ノン・グラータに認定されたのは初めてという。日本政府は5日、アルハバシュ大使をペルソナ・ノン・グラータと認定した。日本政府による認定は戦後3例目。大使は同日、出国した。
(2012年6月7日07時54分 読売新聞)

杉原千畝氏と言えば「命のビザ」で世界に名を知られているが、日本人初の「PNG」認定(蘇聯より)を受けたことでも有名である。*1それだけではなく、小幡アグレマン事件*2のような事例も存在するので、これは「戦後はじめて」の誤りであろう。どちらにしろ、そういう基本的な事実のチェックすらできていない読売新聞は馬鹿の集まりか。
本件は、欧米に追随しすぎたな、というのが率直な感想。日本の国益を考えどのような外交政策を取ろうとしているのかよく見えず、唐突に「PNG」発動すればそのような報復措置を受けるのは当然。

*1:北満鉄路の買収に関わったこと、最初の妻が白系ロシア人であったこと、更にはロシア語に堪能であったことなど、発動する理由には事欠かない。

*2:「アグレマン」を出さないのも実質的な「PNG」認定と言えるので、むしろこちらを「日本初」と言っても差し支えない。ただし明確に「PNG」認定を受けたのは杉原千畝氏が初。