「弱兵」が「強い組織」を作る逆説。

自分が「弱兵」だったこともあるが、果たして彼等を切り捨てることで強い組織が作れるのだろうか?と学生時代から常に自問してきた。試合で勝てない部員は要らないという発想が多数を占める中、「一兵たりとも脱落はさせるべきではない」という信念を持っていた。それが伝わるかどうかはわからないが、一人でできることには限度があるのだから、一人よりは二人、二人よりは三人いたほうがいい。個人差もあるのだからなおのこと。最初から銃の撃ち方を知っている人間を揃えるのが楽なのはわかっている。ただし、そんな余裕もない戦場なら贅沢も言ってはいられまい。各々の個性を見抜き、どのように部下を育成するかを考えるのが「下士官」の役割ではないのか。むしろ、管理職の能力は「優秀な部下」を持つことよりも、そうではない部下を持った時に発揮されると考えている。