「無許可復刻本」の「ツッコミ」を検証。

OP事件」の腹立たしさと、公私共にあまりぱっとしない状況が続いているので、手元にある書籍の検証作業を進めていなかったが、今回一通り目を通してみてやっぱりこの一行ツッコミはダメだなーと思った。

しかしこの作画の尾妻先生、時代劇描くには刀の持ち方がいいかげんすぎるような気も。「一生感謝してもらっても仕方がない」というのは名言ですなあ。
(「風狼太郎がゆく!」唐沢俊一/NO-TENKI商会、P.9「霧氷の剣・殺し控え3」)

P.9にある風狼太郎が刀を抜いている場面で鞘引きをしているのは決していい加減な描写とは思えない。さらにその前のP.7では足捌きの描写があり、十分時代劇の画法をわかっていると思う(一応、居合道経験者としての見地で書いております)。「刀の持ち方がいい加減」というのが「霧氷の剣」の描写のことを言っているとすれば、「メタ視力」がないことを暴露している。

紋次郎風の渡世人登場(『木枯し紋次郎』のヒットはこの作品の前年)。その口にくわえた葉っぱの音”ヒュー”をはじめ、”バッ””ガアア〜ッ””ゲッ””ドバッ””グイッ””バウッ”など擬音の多さもB級の特徴。
(「風狼太郎がゆく!」唐沢俊一/NO-TENKI商会、P.11「霧氷の剣・殺し控え4」)

この第4話のキモは、あの木枯し紋次郎中村敦夫が演じたアレ)を無慈悲に斬殺するところにあるのに、コメントの付けかたがダメすぎる。なんかピントがズレまくってるんだよね。この一行ツッコミ全てにダメ出しをする作業自体が非常に虚しくなってきそうなのでここでやめておく。「メタ視力」のないツッコミがどれだけつまらないものになるかを認識してしまった。