「風景剽窃裁判」について考える。

今月30日に判決が出るということを切通理作氏のblogで知った。*1
町山智浩氏:2010.08.10)
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20100810/
切通理作氏:2010.11.22)
http://d.hatena.ne.jp/PaPeRo/20101122/
丸田祥三氏の「風景剽窃裁判」)
http://blogs.yahoo.co.jp/marumaru1964kikei
特に鉄道写真は、撮影場所が自ずから(線路周辺に)限られることもあり、同じ場所で撮影した写真を「剽窃」と言い出したら収拾がつかなくなる。実際は、光線条件などの様々な要因が重なるから、同じ「作品」にはならないし、そもそも写真撮影の基本は「模倣」からはじまり、数を経るうちに「独創」に至るという要素が強い。丸田祥三氏もそれを否定しているわけではない。
今回の事例が悪質なのは、「職業写真家」が、「すでに発表された他人の作品のコンセプトを模倣し」、それを「商業印刷物」として出版していることにある。一般的な出版物や、映像・音楽では「剽窃」として問題になる事象だ。それを、パクった本人と出版社が組んで、延々と論点のすり替えに走っているわけで、これで原告側が敗訴ということになれば、写真出版の世界は「パクッた者勝ち」という判例が作られ、写真文化は枯死の一途を辿ることになるのだが、小林伸一郎朝日新聞社はそこをどう考えるのだろうか。いや、単なる責任逃れのために裁判に対応してきただけなんだろうが。

*1:12/21に延期となったとのことなので注記する。11/30 21:30