「虫プロ」と「手塚治虫の人格」の破綻

そもそもは、こちらの「日本のアニメはブラック業界」というまとめへの個人的な感想からはじまった。どうもアニメ業界側からの発言は精神主義的なものが多いとは感じていたのだが、特に有名な「虫プロ」倒産劇というのを思い返した時に、そもそも中小企業では創業者と会社勘定との切り分けができないことが多いという話を思い出した。特に、創業者自身が圧倒的な作品制作才能と、財務管理の才能を兼ね備えるのはかなり稀であるということは指摘しておきたい。別の例を出すとすれば「ヴァンヂャケット」と石津謙介のような。

ここで、こういう事務方作業を誰かに任せてしまえばよかったのだが、なまじ本人が全能感あふれている(本当は猜疑心が強くて誰にも任せたくないのだが、自らの才能をもってそれを隠蔽している)と組織としては悲劇が生じる。それが「虫プロ」の破綻劇の根本であったのだが、それを検証したのが「ミッキーマウスストライキ!」訳者である久美薫氏である。以下のまとめ参照。

http://togetter.com/li/837946 (手塚アニメ原罪説を再考する)
http://togetter.com/li/838288 (手塚アニメ原罪説を再考する その2)

さらにエグイ話が出てくる。「虫プロ」が破綻したときに手塚治虫はそれからケツまくって、その処理を行った二代目社長への支援を一切行わなかったとか。まあこういうときに西崎義展の名前が出てくるのはたいがいだが、そりゃ版権がそういう「ブローカー」に渡れば難儀しますわ
ミッキーマウスのストライキ!--アメリカアニメ労働運動100年史

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アニメが「ANIME」になるまで―『鉄腕アトム』、アメリカを行く

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さらに最後に告発されるべき対象は「炉の大将」な 別名紅の豚