「V字型回復」とは決して言えない。

ソニーは22日、新しい中期経営方針(2005〜07年度)を発表した。不振が続く主力のエレクトロニクス部門立て直しのため、世界全体で1万人のグループ人員削減や11カ所の製造拠点の廃止などを実施し、2000億円のコスト削減を図ることが柱。
リストラ策の強化に伴い、06年3月期は営業損益が200億円の赤字(7月時点の予想は300億円の黒字)、最終損益が100億円の赤字(同100億円の黒字)に転落する見通し。同社が通期で赤字となるのは1995年3月期以来、11年ぶり。エレクトロニクス部門の改革では、不採算事業を15分野選び、売却や縮小を推進すると表明。現在3000点あるモデル数は2割減らす。従来のカンパニー制も廃止し、事業ごとの意思疎通を高める組織に改める。
人員は15万1400人(今年3月末)を国内4000人、海外6000人の計1万人縮小し、製造拠点数も事業再編に伴い65から54に減らす。このほか、土地、有価証券など1200億円分を売却する。これに伴い、07年3月期は連結ベースで黒字化を達成する計画。
08年3月期の連結売上高は8兆円超、連結営業利益率は5%(エレクトロニクス部門は4%)を目指す。傘下の金融持ち株会社は、上場を当初予定の06年度から07年度以降に延期するが、売却などの計画はないとしている。
同社は、デジタル家電の価格下落や戦略商品の投入の遅れなどが響き、売上高の7割を占めるエレクトロニクス部門が05年3月期に343億円の営業赤字を計上。4〜6月期も363億円の営業赤字に陥り、同部門を含めた収益強化策が課題となっていた。(時事)

ソニーの駄目さ加減については切込隊長blogで既に指摘されているが、今回もやっぱり駄目そうだ。つーかPSPのボタン不具合を「仕様だ」と強弁したり、自社でプラズマ液晶テレビの開発ができずに三星と合弁を作って技術を借りてきたりしている時点で駄目駄目なのだが、そこに持ってきてこのリストラ策。
土地・有価証券の売却で利益を稼いでも、それはただ単に帳尻合わせにすぎないわけで、それはまさに欧米流の「V字型回復」演出の為の「粉食」のような気がしてならぬ。