「論叢」の作り方。


そもそも「海外鉄道」の市場は狭く、「中国」モノは商売になりづらい。せいぜい「蒸機」が関の山だが、他を圧倒する作品を作り込むことは難しい。貨車の写真は撮り貯めてきたが、それだけではインパクトに欠ける。
去年より文献調査を手がけるようになり、その中で色々と見えてきたことがあったが、どうやって「周知」しようかと考えた。雑誌に投稿した所で掲載される保証はないので、「資料」たるに相応しいものを作ってそれを残す方向で進めようとしたが、どこで売るべきか。昨年末にC79に出向いたところ「海外鉄道」の分野は手薄であった。大勢の人が集まる場所なら、興味本位でも手を取ってもらえれば儲けものである。それがC80へ出展した理由。
内容は「貨車総覧」を筆頭としているが、「戦後史」以後に文章・資料を投入しており、ここまで目を通してもらい興味をひくことを目論んだ(なぜなら誰も書いていない分野だから)。表紙は他の鉄道同人誌と一線を画した「白書」風にして、あえて「写真」の存在を押し出さなかった。ただし、表紙2の写真まで白黒にしたのは地味すぎたのでこれは反省点。
ただし、「頒価設定」以上に「在庫をどう捌くか」は最後の最後まで頭を抱えた。C80当日は販売時間がわずか6時間程度しかないからだ。販売委託先として、書泉グランデの存在は念頭に置いていたが、敷居が高すぎる不安は杞憂であった。現時点の問題は、C81以後の在庫投入。