「中国向け」輸出実績の深部を追う。

それにしても、この時代(1980〜1990年代)の輸出実績というのは表に触れないものが多いためになかなか調査が難しい。上海宝山向DLは2003年に車両更新契約が入り、中国石化向LPG貨車は25年を経過し全車除籍、6Kも廃車が始まり、秦皇島埠頭のDLは目にした人間がいるのか疑問である(鉄道部ではなく交通部所属のため)。
このあたりは、各社社史・技報あるいは統計情報でしか読み取れないところも多い。かなり研究対象として見る分には面白いのだが、当たりのつけ方が難しい。資料請求に要する時間と金も馬鹿にならず、300頁超の資料を引っかき集めて、書ける内容はわずか数頁ということにもなりかねない。貨車関係については過去に実地調査を行ってきたが、地鉄関係はあやしい。もっとも、今回は過去に統計資料をかき集めていたので、「電車の輸出実績は3両しかない」ということがわかっており、話は早かった。