第56次打通作戦(新膠・新長鉄路経由青島→揚州)

わざわざ杭州→青島まで飛行機で移動した上で、そこから揚州まで戻るという物好きな移動手法を取ったのは、青島発揚州行K416/3次に乗車するためである。
このK416/3次は、青島を8時15分に出て、膠州〜臨沂〜新沂〜海安県という海寄りの路線を経由して揚州に20時50分に到着する。日中運転の列車であるが、硬臥と軟臥が付いており、なおかつ人気の薄い列車であることが、今回この列車に乗ろうと思ったきっかけである。

独逸風の駅舎が残る青島站、そこからK416/3次は発車する。
動車組などと並んで、比較的短い編成の列車が停まっている。編成は以下のとおり。

DF11 0350(上局徐段)
02:YW25G 672083(済局済段[烟])
04:YW25G 669881(済局済段[青]、以下同じ)
05:RW25G 552033
06:CA25G 892352
07:YZ25G 349913
08:YZ25G 343158
09:YZ25G 343156
10:YZ25G 344097
11:YZ25G 342813
16:KD25G 997642

軟臥1両、硬臥2両、餐車1両、硬座5両、発電車1両で全部で10両。比較的長距離を走る列車にしては短い編成である。機関車はDF11。かつては京滬線の主力だったが、今や徐州機務段に都落ち

切符を服務員(車掌)に見せて車内に乗り込む。本来、この軟臥は定員36人なのだが、20名分しか切符を売りだしていない。かねてからこの列車の軟臥の乗車率は悪いのだが、今日は20名分ほぼ売り切れという状況。
車番を控えて室内に戻ると、3人連れの学生と思しき人間が「場所を替えてくれ」と言うので切符を見ると上段。座席なら値段も変わらないからどうにかしてやろうとも思うが、軟臥の上段と下段の値段は違う。ふざけるのもたいがいにせぇと「不行(だが断る)!」撥ね付ける。

列車は膠州から新膠鉄路に入る。この路線は、膠州から、莒県、臨沂といった斉国の旧都とおぼしき場所を南下し、新沂に至る。沿線には目立った都市もなく、車窓は延々とこのような麦畑ばかりが広がるばかりである。
昼過ぎになったので食堂車で飯を食う。ビールを飲んで一寝入りすると、いつの間にか江蘇省に入っていた。新沂以南は新長鉄路(新海段)となる。長江の北側だからそんなに景色が変わるものではない。もっとも、淮安を過ぎるとある程度まとまった街が見えてくる。阜寧で列車交換待ちのため30分停車。普通の乗務員なら「すぐ戻れ」と言ってくるのだが、この列車の乗務員は案外鷹揚なもので、コンデジ晒して「撮ってくる」と言えばそれでOK。
塩城を過ぎると段々夕方に近づいてくる。のんびりと時間を過ごす。

海安県で20分停車。DF110350が機回し。この列車は珍しく進行方向が逆になる。
もうここで日が暮れる。あとは終点の揚州を目指すのみ。