「陸軍省新聞班」の役割など(はしがき)

陸軍省新聞班」の役割を考えるのもなかなか興味深い。特にそのような中、阪神急行電鉄(阪急)ほど時局に迎合的でなかった松竹系各社がどのような形で当局と折り合いを付けたかは気になるところである。これは、鉄道会社と映画会社それぞれの官庁に対する対応の差異ともいえ、また興業系は特にその辺りに手馴れている側面があったのかもしれない。ただし、当時「ターキー会」会員が外地を含め2万人を数え、会誌刊行部数が7万部をも数えたほどの勢いを有するSSK、また姉妹劇団のOSSKを当局が無視できようもはずはなく(また下手に抑えこもうとしても「桃色争議」の二の舞になるのは避けたかったはずだ)、それもある意味SSK/OSSKが宝塚ほどには迎合的な態度を取らずに済んだ一つの要因とも考えられる。
ただし、圧倒的に資料が散逸しており、一次資料を押さえるのに難儀する。