第16次打通作戦(「アルジェの男」)

http://kageki.hankyu.co.jp/revue/238/index.shtml
今年は諸般の事情で観劇どころではなかったが、どうにかその目処が立ったので3月以来久々に行ってきた(東京大劇場は1年ぶり)。月組公演はあまり縁がなかったのと、大野拓史氏演出作品だというのが大きい。本作品は「赤と黒」をベースとしたものだが(脚本を担当した柴田侑宏氏が過去に舞台化している)、見比べると面白いかも知れない。

赤と黒〈上〉 (岩波文庫)

赤と黒〈上〉 (岩波文庫)

主人公の造形は原典と大きく変わるものではない。ただしそれを浮き出すような重層的な配役に妙があり(人物相関図はかなりわかりづらいので注意)、特に明日海りおには注目。「忠実性」の裏にある「暗黒面」がすべてにとどめを刺す。ラストシーンのあっけなさは大劇場作品にしては異例だ。それは脚本がもともとそうなのか、演出があえてそうしたかはわからないが、個人的にはこういうものも悪くはない。むしろ、これは余韻を残すたぐいのものではない。

なぜこの画像が出てくるかわかる人間は「中国鉄」以外の何者でもない。*1
「Romanesk」から「ルーマニア」と「ロマ」が出てきたら鉄板だなと思ったら本当にそのとおりだというのはさておき(おまけに前者は「スリラー」風味)、二階席までジェンヌさんが上がってきたのには驚いた。去り際に激励の意味も込めてそっと手を振る。

*1:ヅカファンがわかるはずもない。この車両がルーマニア製なのを、「ダンス・ロマネスク」中のシーンに掛けているのだ。