「構内作業」は「安全第一」ではなく「KKD」。

http://www.asahi.com/national/update/0326/TKY201103260185.html

2011年3月26日18時32分
東京電力福島第一原子力発電所福島県大熊町双葉町)3号機のタービン建屋内で起きた作業員3人の被曝(ひばく)で、3人が作業に入る6日前の18日、2号機のタービン建屋地下で、通常時に比べて異常に高い放射線量を確認しながら、東電は作業員に注意喚起をしていなかったことがわかった。東電は「情報共有が早ければ被曝を防げた可能性がある」と認め、謝罪した。
東電福島事務所によると、6日前の18日、2号機のタービン建屋地下1階で放射線量を測定したところ、作業員の被曝線量の上限(250ミリシーベルト)を上回る毎時500ミリシーベルトだった。
一方、3人の作業員が3号機で作業を始めたのは、24日午前10時半ごろ。作業員には2号機の情報は伝わっていなかった。前日にはなかった水が深さ15センチになっていたが、3人は前日の作業では線量が低かったこと、「タービン建屋は通常、線量が高い場所でない」と思っていたことなどから、水につかって作業をして、局所被曝した。18日のデータが事前に伝わっていれば、作業員らの思い込みを防げた可能性がある。東電福島事務所の担当者は「情報共有が悪かったために24日の被曝が起きた。おわびしたい。今後は社内の情報共有に努めたい」と述べた。

発電所のみならず製鉄所・製油所・化学工場などはかなりの危険が多い現場であり、過去から構内作業については協力会社への「丸投げ」によるリスク回避が行われてきた。でもって、これらの安全管理は(一応安全衛生責任者は配置されているものの)、基本的には「KKD」(勘・経験・度胸)。そもそも「KKD」がなければ不測の事態には対応できない反面、逆もまた真なりで不測の事態を招きうるという話。