帰宅難民「東海道中膝栗毛」(3)


こんな状態であっても「ネタ」探しはしっかりやっておく。
実はこの段階で左足甲に痛みを感じつつあったのだが、下末吉あたりまで出ておかなければどうしようもないことはわかっていた。そこまで辿り着けば、鶴見〜横浜間のバスも増えるのでどうにかなるかもしれないと考えた。

22時半に多摩川橋を渡る。本来これだけの歩行者が通行することを前提とした橋梁ではないだけに、注意して渡る。油断は禁物。それにしてもひっきりなしに人が歩いて行くという、あまりにも常軌を逸した光景である。不謹慎だが「クローバー・フィールド」を想起する。

川崎市内に突入するが、実は川崎駅方面まではかなり距離がある。23時半になってやっと尻手。言うまでもないが駅自体が閉鎖されており、構内には貨物列車が放置されたまま。横浜行のバスが通過していってしまい、やむなく更に歩き続けることとなる。