給与所得者の実効税率(再計算)

http://d.hatena.ne.jp/SY1698/20101216/ の続き。
給与所得者の実効税率を計算しなおしたところ、誤りがあったので修正。

  1. 所得税・住民税の税率計算で社保分を抜いていない(所得から減額)
  2. 所得税率が税源移譲前(10%→5%が正)
  3. 社会保険料の実効税率(厚生年金8.029%+健康保険3.8%+介護保険0.6%+雇用保険0.6%=13.029%)

給与収入540万円、配偶者控除などの特例控除は無視した場合の実効税率は下記の通り。中国(25%)には及ばないが、20%を越えている。配偶者控除を考慮すると2%ほど下がるが、特例措置なので実効税率計算上は敢えて考慮しない。

(1) 所得税:(1-0.2-0.17-0.13029)×5%=2.50%*1
(2) 住民税:(1-0.2-0.17-0.13029)×10%=5.00%*2
(3) 社会保険料:13.029%*3
(4) 実効税率: (1)+(2)+(3)=20.53%

社会保険料の中でも厚生年金は2017年まで毎年0.177%増加することが既定路線となっており、それだけで可処分所得を同率だけ押し下げる効果が働き、GDPの過半を占める家計支出を押し下げることになる。定期昇給が0.2%あれば家計収入の目減りはカバー可能だが、それは企業へ負担を強いることになる(社会保険料も折半するので、0.4%程度負担増)。その費用をカバーするためには、4%程度の売上増加が必要となるわけで(税引後当期利益を1%としても)、それを充足する通貨増は必要という結論にしかならないのだが、いかがであろうか。
300兆円政府通貨を刷れば一発だけどなw

*1:給与所得所得計算上の20%定率控除に加え、定額控除額54万円、その後の基礎控除38万円を、給与収入540万円の比率に直し、後述する社会保険料も差し引く。

*2:制限税率ならびに均等割は考慮せず。本来は所得税と住民税の基礎控除額は異なるのだが、税源移譲による税額増加を防ぐための調整控除が存在するので、結果は同じ。

*3:健保・厚年・雇用保険等。