第五次打通作戦(星組)

昨日同志を東京宝塚劇場まで連行して「ヅカ中世洋物」の世界に引きずり込んできた。さすがに初体験があれでは脳天をハンマーでぶん殴られたような衝撃を受けたようだ。酒のんで帰投してそのまま寝て出勤したから、PCは二日ぶりとなった次第。
というわけで「ハプスブルグの宝剣」。
最初に書いたときは頭が回らなくてうまくまとめきれなかったので、すこしずつ書き直していくこと失礼。配役状況がまだ完全に復習できてない。
「魂の還る地を求めて、男は闘う。」
という惹句に相応しい、何気に硬派なこの作品。過酷な運命に翻弄されつつも、それに抗うように自らの生きる道を探し続けて生きた男の生涯を、欧州中世史に織り込んで描いた意欲作で、それを演じた柚希礼音の演技、声ともに素晴らしい。また、若き日の恋人とマリア・テレジアの二役を演じた夢咲ねねも、この人にとってははまり役。またその夫役(凰稀かなめ)も軽質な音量が柚希礼音との対比をなしており、決して悪くはなかった。小説を一時間半の中に凝縮するという作業はかなりきついものがあるはずだが、うまくまとまっており、最後の大団円は必見。
二幕目の「ボレロ」は、いわゆるショーレビュー。「ボレロ」に合わせて柚希礼音が踊る近代バレエ、「二人の邂逅」時のソプラノ、あと「白い鳩」ね。
なにしろ、第一幕(劇)も第二幕(レビュー)も素晴らしかった。ヅカ初心者にはおすすめの一篇。雪組もいいが星組もいい。今年内にはもう一度見に行こう。