三年B組ズッコケ一家。

六年四組ズッコケ一家 (山中恒よみもの文庫)

六年四組ズッコケ一家 (山中恒よみもの文庫)

山中恒の隠れた名作。
あばれはっちゃく」「おれがあいつであいつがおれで」(「転校生」の原題)などは映像化された中、まったく映像化も劇画化もされておらず、なおかつ一時期は絶版食らっていたのだが、1996年に出版社を変えて(元々は読売新聞社)再販された。
そもそも、映像化されないのは、強烈な個性を持つ12人のキャラクターを演じきれる子役がいないから、いやいるわけがない。映像化された先の作品とは異なり、ヒロインなんぞはおりません。12人の強烈な個性を持つクソガキどもがすべて主人公なのであります。
ちょうど本作が執筆された時期というのが、高度経済成長期を終えて「ガキ大将」が完全に死滅した時期と重なり合っているともいえる。まさに「ガキ大将」への挽歌。それを12人のクソガキどもに重ね合わせて書いたというのだから、この御仁の作家性が他の(児童)作家に比べて突出していることが伺える。
まあなにより、読んでいて楽しい。笑える。
小学校のときの感動が、今でも蘇ってくる。そういう作品。
ただし、今これを映像化するのなら、小学生ではちょっと年齢設定が(特に男)低すぎるので、これを三年上げてみるとほうら「三年B組」にw
しかし、高校受験する年で「12人のクソガキども」というのがどうなるか。アイデアの切れ端だけは置いておくので、ご自由にどうぞ。*1

*1:ただし原作者への交渉も自分でしてくれ。当然だがそんなところまで責任持てるかw