「消えた」フィルム。

生産中止となったものを中心に選んでみた。


1. AGFA Precisa 100
アグファが日本市場に投入した廉価版ポジフィルム。
安いだけが取り得というわけではなく、発色は他のポジフィルムに比べるときわめて中庸。隠れた人気のあったフィルム。同社倒産により、生産中止、手に入れるすべはない。ちなみに、アグファは、ネガフィルムもプリントしても見栄えのするものが多かったが、これも同社倒産により入手する機会が困難になったのが残念である。


2. コダック KODAKROME PKR64
世界唯一の「外式」スライドフィルム。
その保存性の高さには従来から定評があるものの、現像プロセスが複雑で(日本では堀内カラーくらいしか自前でできなかった)、近年の急速なデジタル化により、取扱数量が激減したために現像の質も低下するという悪循環を重ねた結果、2007年限りで日本での現像扱いを中止。色再現性は、極めて中庸。唯一の売りの「保存性」も、内式フィルムの性能向上に加え、デジタル化がここまで進行してしまっては如何ともしがたい。


3. コニカ 神羅 SRA100
何が「神羅」だ、いい加減にしろという色再現性の乏しさ。
はっきりいってここまで「眠たい」色調のポジフィルムというのは、なかなか作れるものではない。アグファとほぼ同水準の値段とはいえ、使ってみて吃驚、二度と使いたくなくなるフィルムというものが、この世に存在するとは思わなかった。