結局のところは「存在困難」な人生なわけで。

「存在困難」な人生を歩んだつもりではないが、でも結局は「あらゆる教義の間を滑りぬける」人生を歩むことになるのか、よくわからない。

「勇敢で愚かなお前。お前も仲間入りすべきだったのだ。そうすれば存在することの難しさにも限界が生まれる。なぜなら、一つの教義を信奉する人々には、その教義以外なにものも存在しないのだから。だが教義という教義がお前に請願を提出している。お前はそのどれにも自分を奪われまいとした。お前はあらゆる教義の間を滑りぬけてお前の橇を通すことを望んだのだ。さあ、巧みに切り抜けるがいい。
勇敢なる者よ。勇敢にして愚かなる者よ。前進せよ。最後の最後まで存在することの危うさに賭けるのだ。*1

*1:「存在困難」あとがき