2007-11-04から1日間の記事一覧

結局のところは「存在困難」な人生なわけで。

「存在困難」な人生を歩んだつもりではないが、でも結局は「あらゆる教義の間を滑りぬける」人生を歩むことになるのか、よくわからない。 「勇敢で愚かなお前。お前も仲間入りすべきだったのだ。そうすれば存在することの難しさにも限界が生まれる。なぜなら…

「読者」と「著者」の時空を越えた邂逅。

「存在困難」で個人的に好きな文章は、文章の持つ力を端的に現したくだりである。荘子の「薪火伝う」に通じる思想性が、またなんとも。 「さて、あなたはポケットからこの本を取り出す。読む。そして、あなたがもうぼくを書いたもの以外何ものにも気を取られ…

病気のときに読む本といえば。

コクトーの「存在困難」と決まっている。10年以上前に買ったもので、ブックカバーもすりきれつつあるが、今までこの本だけは売らずにそのまま持ち続けてきた。著述当時、著者も体調を崩して静養していたという事情があったにせよ、妙な親近感を持つ著作であ…