分割民営化 → 「基金」はどうする?

香港英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(B3面)は14日、中国鉄道省が全国の鉄道網を地域別に5つ程度に分割し、各地域の事業を担う会社を設けることを検討していると報じた。関係者によると、今年秋の第17回共産党大会で詳細が議論される予定。新会社は、広東省の鉄道会社である広深鉄路をモデルに設立・運営される見通しという。
鉄道省は現在、北京、上海など16カ所に設けられている鉄道局、および全額出資子会社の広州鉄路や青蔵鉄路などを通じて全国の鉄道網を管理している。中国当局は当初、鉄道網の管理会社と列車の運行会社を分割する「英米方式」と、事業を地域別に分割する「日本方式」の双方について検討を進めていたが、地域分割方式が採用される見込みという。一方、鉄道省の広報担当者は同紙に対し「分割のことは知らない」と話している。
広深鉄路は広州−深川を結ぶ長さ147kmの鉄道を運営。鉄道省が広州鉄路を通じ41%を出資している。関係者によると、中国当局は鉄道事業再編の一環として、広深鉄路に事業資産を組み込むことを検討しているという。組み込まれる資産は未定。同社は今年初め、親会社の広州鉄路から広州−楽昌市坪石を結ぶ広坪鉄路を買収する手続きを完了させている。広深鉄路は1996年5月に香港、米ニューヨーク証券取引所に上場したほか、昨年12月には上海市場でも株式公開。上海上場で調達した103億元は広坪鉄路を買収資金に充てた。(5/15時事)

5つに分割するということは、「京局」「沈局」「上局」「蘭局」「広局」に分けることになるんだろうが、「上局」「広局」はともかく「蘭局」「沈局」は経済的に見てかなりきついんではないかい?個人的には「運営基金」で赤字を補填するようにしないと、東北部ならびに西部地域が持たない。西部地域なんて、これに「青蔵鉄路」まで引き受けさせられたら、財政的に死亡確実。
ちなみに、英米方式(上下分離方式)は、どこも大コケなので採用しなかったと思われ、そのあたりは鉄道部もわかっているな、と感心した。*1

*1:米国、加奈陀、英国ことごとく大コケ、日本でも上下分離方式を採用したJR貨物は1人負けの状況