今度は「富田メモ」のような切り札なし。

日本経済新聞社(東京都千代田区)の元幹部社員らが実体のない印刷会社をつくり、国の雇用助成金500万円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は13日、詐欺容疑で、同社東京本社販売局の部長相当職だった元社員森明容疑者(58)=西東京市保谷=ら2人を逮捕した。ほかに逮捕されたのは、同社子会社「日経印刷」(千代田区)元社員小石忠容疑者(67)=千葉県船橋市若松=。いずれも容疑を認めているという。同課は、森容疑者らが同様の手口でほかにも助成金を詐取した疑いがあるとみて捜査を進める。
調べでは、森容疑者は日経印刷に出向中の2003年9月、小石容疑者や知人を役員とする実体のない印刷会社「アロール出版」を設立。高齢者を雇ったように装って翌年3月末に「高年齢者等共同就業機会創出助成金」を申請し、同年7月中旬ごろ、国から500万円をだまし取った疑い。この助成金は、45歳以上の3人以上で会社を新設し、高齢者などを継続的に雇用する際、厚生労働省が外郭団体を通じ、500万円を限度に経費の3分の2を助成する。申請後の04年4月、外郭団体がアロール社を立ち入り検査した際は、森容疑者が実質経営する「アレス出版サービス」がアロール社であると見せ掛けて、検査をすり抜けていた。同課は詐取した金が、アレス社の運転資金に使われた可能性が高いとみている。森容疑者は03年8月から同12月にかけ、アレス社の借入資金約720万円を出向先の日経印刷に肩代わりさせ損害を与えたとして、04年12月7日付で懲戒解雇されている。
日経新聞社長室の話 当社や子会社の業務に関係ないとはいえ、元社員が詐欺容疑で逮捕されたことは誠に遺憾。グループ会社も含めコンプライアンス(法令順守)の徹底を進める。(9/14時事)

コンプライアンスディスクロージャーという概念のない会社が何を言うか。「当社や子会社の業務に関係ないとはいえ」という言葉がすごく逃げ腰。結局、隠蔽体質は何も変わってないわけですな。解雇されたのは一昨年の話だったわけだから。更に書くと、2008年4月から「内部統制」に係る監査が導入されるので、このあたりを日経新聞社がどうやって対応するかが見物ですな。監査法人意見「不適正」に10,000ペソ。