虚人群伝説

巨人が李承菀を獲得したという話を聞いて、結局この球団には学習能力というものは存在しないのだな、と妙な意味で感心した。
1960年代から巨人は他球団のベテラン選手を獲得し続け、力が衰えるとボロ雑巾のように使い捨て続けてきたわけだが、90年代以降はその傾向に拍車がかかった感があり、落合広沢清原吉永江藤ペタジーニ小久保パウエル今回の李に繋がる強打者の一群を守備力の不安を無視して揃えまくったというのは監督かフロントが狂人か、でなければ親会社が税務上の利益をそこまでして出したくなかったのかという邪推しか思い浮かばない。さらにいえば、ここ10年間巨人にFA・トレード等できた選手の中で無事選手生命を終えられた選手は誰一人としていない。契約がこじれるか自由契約で他球団に叩き出されるかのいずれかで、中には吉永のように買い手がいなくてそのまま引退という寂しい例も存在する。唯一の成功例は前田くらいか?投手だけど。そもそも投手でさえも前田・シコルスキー以外に成功例はいないので、豊田の今期成績が非常に不安なのだが。
実は70年代の長嶋茂雄一次政権下がそうしたツケが回った頃で、それで70〜80年代に自前で選手を育ててその花が咲いたのが80〜90年代だったわけだが、その成功体験を長嶋本人が忘れてしまっているようではお話にならない。
結局、90年代以降は大型ルーキーと他球団の主力選手(含む外人)頼みの補強体制となっているが、これは暫く続くこととなろう。この崩壊寸前のチームをまたも任された原監督としては、自前の選手の育成に努めなければならないのだが、原監督はそういうのがあまり好きそうではないのが救いだ。問題は老害と化したばかりか朝日とつるんで国を売りかねない勢いのナベツネ御大がどこまで現場に介入してくるか。まさか半死人の長嶋茂雄に第三次政権を任せるという狂気の沙汰になったら、巨人も含めてプロ野球人気爆死という悪夢が実現しそうなのでこれにて病む。