米ウォルマートは労働搾取を見過ごし

【ロサンゼルス13日ロイターES=時事】中国やニカラグアなどにある玩具や衣類工場で従事する労働者らが13日、小売り世界最大手の米ウォルマート・ストアーズが過酷な労働条件を見過ごしているとして、同社を相手取り損害賠償を求める集団訴訟カリフォルニア州の裁判所に起こした。原告側の弁護士は、今回の訴訟は10万〜50万人の労働者が対象となり、同社の損害賠償責任は数億ドルに上る可能性があると指摘している。
原告には中国やニカラグアバングラデシュスワジランドの工場などで従事する15人がまれおり、最低賃金以下で働かされ、サービス残業を強いられたほか、上司から暴行を受けたケースもあったと主張している。このほか、米小売り大手クローガー傘下の食品スーパー、ラルフス・アンド・セーフウェーの2人の組合員なども原告に名を連ねており、ウォルマート南カリフォルニアへの進出で、賃金と手当ての引き下げを余儀なくされたと主張している。同社のスポークスマンは「特定の提訴に関して発言するのは、時期尚早だ。複数の企業や生業業者がかかわっており、調査を始めた段階だ」と述べるにとどまった。

米国内でさえ労働搾取を行っているといわれる会社が、海外で行っていないはずがない。