やっぱり評価は古びていない (大野せんせとこだまっち)

今は亡き「宝塚アカデミア」という雑誌があり、そこで「センセの通信簿」というものがあるのを知り、是非目を通したいと思ったものだった。大野拓史せんせについては当時から「作品世界の時代背景や周辺状況についても、相当勉強しているようだ。ところがこれに観客がついていけない」、さらに「採点はなし」というのはどっか突き抜けてますな。「ロシアンブルー魔女への鉄槌」(2009) や「記者と皇帝」(2011) なんかまさにそれで、登場人物が濃すぎて「誰得俺得」自分のようなマニアばかりをヅカ沼に沈めてどうするww

それ以上に「こだまっち」disぶりが爽快すぎて笑うわ。「特別集中補講 児玉明子氏を批判する」とか4頁かけてボロカスに批判するかという話ではあるのだが、ヒット作が原作付きの「メイちゃんの執事」一本だけで (それも後半の展開はかなり無理矢理)、とどめを刺したのが「仮面の男」ですからねえ。東京公演に至っては大野せんせにケツを拭かせてからに いつのまにやら消えていたが、それを予言したような書であった

宝塚アカデミア〈19〉特集・センセの通信簿

宝塚アカデミア〈19〉特集・センセの通信簿