「日日不安」な「末っ子」。

日日平安 (新潮文庫)

日日平安 (新潮文庫)

数年前に読んだ作品の中で一番印象が強かったのが「末っ子」である。
http://ww5.enjoy.ne.jp/~kuu007/reading/040518.html

「みんなで私があまやかされていると云いながら、誰一人あまやかしたことはなかった、一度でも私をあまえさせてくれたことがありましたか」

「末っ子三文安」であろうが「総領の甚六」であろうが、大事に育てなかったことを正当化する言い訳が「甘やかさない」である。ただし、それは内向きの論理(家族内のみ)であって、第三者はそこまで厳しくは見ていない。
このような差が出るのは何故だろうか。
「愛玩子」「搾取子」という扱いの差を(内面で)正当化する論理だからだ。