国土交通省は速やかに2010年度「グモ件数」を公表すべし。

「輸送障害件数」でググったらここがヒットした。
http://d.hatena.ne.jp/katamachi/20091223/
2009年度上半期までしか件数は公表されていないが暦年推移。
http://www.mlit.go.jp/common/000055543.pdf
(グモ件数)

2002年度 関東圏 163件(全国比31.8%)、全国 513件
2003年度 関東圏 220件(全国比33.1%)、全国 664件(+29.4%)
2004年度 関東圏 183件(全国比33.3%)、全国 550件(△17.2%)
2005年度 関東圏 228件(全国比42.0%)、全国 543件(△ 1.2%)
2006年度 関東圏 233件(全国比43.6%)、全国 534件(△ 1.7%)
2007年度 関東圏 288件(全国比45.0%)、全国 640件(+19.9%)
2008年度 関東圏 307件(全国比47.4%)、全国 647件(+ 1.1%)
2009年度 関東圏 132件(全国比40.1%)、全国 329件(半期分)

関東圏だけで見れば、着実に増加傾向。全国的に関東圏の占める割合は2005年度で40%台に乗った。全国的には減っているのに、関東圏だけは45件も増加しており、これが大きく貢献したと言える。2007年度は全国で106件増のうち、その半分を関東圏で稼ぎ出し(55件増)、関東圏におけるグモ件数の貢献度合いは高まっていることが裏付けられた。

(グモによる抑止列車数)
グモによる抑止遅延を食らった列車本数。同資料より。

2002年度 関東圏 8.3千本(全国比43.7%)、全国 19.0千本
2003年度 関東圏 10.5千本(全国比46.0%)、全国 22.8千本(+20.0%)
2004年度 関東圏 8.3千本(全国比42.1%)、全国 19.7千本(△13.6%)
2005年度 関東圏 11.5千本(全国比55.6%)、全国 20.7千本(+ 5.1%)
2006年度 関東圏 15.0千本(全国比58.8%)、全国 25.5千本(+23.2%)
2007年度 関東圏 18.2千本(全国比71.4%)、全国 31.8千本(+24.7%)
2008年度 関東圏 21.1千本(全国比59.8%)、全国 35.3千本(+11.0%)*1

拾っていて嫌になるが、2006年度から急激に抑止件数が増加したのがわかる。これは福知山線事故の影響による抑止基準の厳格化も大きいが、それよりもグモ件数が増加している事実は否めない。関東圏は2005年度で50%台の大台を突破し、2007年度は前人未到の70%台、その後も60%前後で推移している。これでわかることは
「関東圏の鉄道は運行指令が無能」*2ということ。
常々実感していたことを検証できましたわ。


(備考)
http://www7b.biglobe.ne.jp/~tomonigo/kabunusikai/1006situmonjyo.htm
この数字はJR東日本株主総会で出された質問状だが、2010年度上半期だけで159件というのは出処に若干疑義がある。国交省が正確な情報を出して見ないと検証は不可能。

*1:2008年度の抑止本数は、2002年度比+85.6%。

*2:グモによる抑止件数が関東圏は多い。それだけダイヤが過密だと言えるが、別の見方をすれば「運行回復の努力をしないで安全策を取って抑止する」JR東日本の抜き難い体質が数字で現れていると言える。