中国貨車進化史を辿る。

http://d.hatena.ne.jp/SY1698/20100609/ の続き。
100t貨車を語るにあたり、そもそも当時中国で「100t」貨車が量産されていたのかといえば「否」である。実は中国においても、60tの壁をなかなか越えることはできなかった。量産化に成功したのは、61t積のC61/C63Aで、これらの車両は大秦線に投入されているが、総トン数は85t前後である。
総トン数で100tを超える貨車は以下のものがあるが、製造は2004年以後。

大秦線用80t石炭車。C80Hがアルミ合金、C80Cがステンレス。
http://www.railcn.net/railway-freight-car/news/461.html
http://www.railcn.net/railway-freight-car/equipment/rail420.html
C75XY型75t積鋼材専用車(高比重貨物専用)。
http://www.railcn.net/railway-freight-car/equipment/rail407.html

では、1990年代に中国で「100t貨車」が生産されなかったのかといえば、その例はこれ。
http://www.railcn.net/railway-freight-car/skills/479.html
C5D型75t廠車なる貨車で、C64K型60t廠車の中間部分に1軸台車を足したもの。軸重20t×5軸で総トン数は100tになる。当然ながら、製造輛数はわずかに留まる。ただし、当時の中国で量産可能な「100t貨車」はこれ以外には存在しない。その指示を基に作ったものがこれだと思われる。8軸あるから、13t軸(日本の丙線並)で総トン数100tを達成することになる。

(補注) 画像著作権表示

「The forbidden railway: Vienna - Pyongyang」(Webmaster: Mr.Helmut)
http://vienna-pyongyang.blogspot.com/ (blog)
http://vienna-pyongyang.blogspot.com/2008/09/kilchu-pyongyang-22.html(引用元)

あと、2軸×4という強引な台車配置だと、通過曲線半径が制限される(中国でこの種の大物車はR250の制限あり)うえに線路に横圧がかかるから速度も出せないはずだが、写真があるということは使っているということか。