無責任経営、ここに極まれり。

qzmp blogさんところより。
ソースはこちら。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/100523/bsc1005230059000-n1.htm

経営再建中のアパレルメーカー、レナウンが中国の繊維大手、山東如意(山東省)の傘下に入る方向で最終調整を進めていることが22日、分かった。山東如意がレナウンの実施する第三者割当増資に応じて、発行済み株式の約4割を取得する見通し。取得金額は40億円程度とみられる。
主力の百貨店向け衣料品販売の不振で経営が悪化したレナウンは英高級ブランド「アクアスキュータム」や本社ビルの売却などを進めてきたものの、平成22年2月期の連結決算で4期連続の赤字となる109億円の最終損失を計上。山東如意との提携で財務体質の強化を図る一方、山東如意は日本市場への参入を目指す思惑があるとみられる。
レナウン株式の約25%を保有する筆頭株主で国内の投資会社、ネオラインホールディングス(東京)は中核ブランドの売却に反対の意向を表明。27日に開催予定のレナウン株主総会で取締役選任案に反対する方針を打ち出すなど、混乱が続いている。
家電量販店大手の蘇寧電器江蘇省)が昨年、ラオックス筆頭株主になるなど中国企業による日本企業の買収が相次いでいる。低迷する日本経済と対照的に中国経済の成長が続く中、同様の動きは今後も続きそうだ。

前にも一度言及したが、もう一度当時の記事を引く。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090421/192599/

石津氏のような大物を招聘しながら、具体的な戦略は示されていない。片山氏に何を期待するのかも不明確だ。このあたりに再建への現経営陣の覚悟のなさを感じる、と言っては言い過ぎだろうか。つまりは筆頭株主であるネオラインキャピタル系のファンドから、過半数の役員を送り込む株主提案を突きつけられたことが面白くない。その対抗策としての場当たり的な人事に見えるのである。
「ネオラインとは対立しているわけではない」「委任状争奪戦もしない」と穏やかな関係を装うが、ネオライン側の経営介入に拒絶反応があるのは明らかだ。

レナウンには強烈なリーダーシップを発揮するカリスマ経営者も、オーナーもいない。強固な組織力を持つサラリーマン集団の会社はいくらもあるが、この会社は当事者意識が希薄で、サラリーマン集団の欠点を集めたような会社」。都内某百貨店幹部はこう酷評する。ネオラインによる株主提案以降、レナウンの株価が2〜3割上昇しているのは、プロキシーファイトへの期待値を織り込んでいると考えるべきだろう。レナウン側の提案を評価したと考えるのは間違いだ。アデランスはホワイトナイトユニゾン・キャピタルによるTOB(株式公開買い付け)という形で、株主提案を出したスティール・パートナーズに宣戦布告した。このため、株価はTOB価格の1000円めがけて急上昇した。決して業績回復への期待値で上昇しているわけではない。
株主の支持を取りつけたいのなら、業績回復に向けての計画の妥当性と、計画遂行への覚悟のほどを示すことこそ正攻法である。レナウンが今なすべきことは、己に課した計画を、市場や取引先からどう評価されているのかを知ることではないのか。

近年は、筆頭株主がコロコロ変わった挙げ句(前の筆頭株主のファンドには見切りを付けられた)、撤退戦の繰り返しという印象しか受けていない。アーノルド・パーマー以後、40年間をその遺産で食ってきたというとんでもない無能な経営ぶりでは、そうなるのも当たり前。AQを買収した時でさえ、失敗することが確実視されていたほどで、予想通り損失を垂れ流した上で売却という始末。
それでも子会社のほうはそれなりにまともだったものの、すでにレリアンは伊藤忠商事の子会社(焦土戦術という話もある)、ルックは兄弟会社の位置づけ。とりあえず、ダーバンだけは合併して取り込んだものの、基本的にグループ戦略はまるでなし。本気でこの会社は潰した方がいいと思うよw

(参考)焦土戦術の例。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100310/213287/