五日目(加格達奇→扎西)

今回乗るK7093次は哈爾濱から斉斉哈爾、加格達奇、伊図里河、牙克石を回って海拉爾に向かうという列車で、特に加格達奇〜伊図里河間はこの一本のみ。

軟臥に席を落ち着けると、列車の運行時間が書いてある。よく見ると停留所のような無人駅の名前も丹念に書いてある。「停車時間一分」という表記、久々に見た。
車掌が切符改めに来る。パスポート番号などを登記簿に書いていったら注意書きに「精神病患者はJと記載すること」などという表記があるw
早速、餐車で朝食を取る。10元でまあまあの量。


切符を見ると
軟座快慢臥。
快速なのに慢車なのかよという突っ込みは無用。
実際、ここからは慢車と同様の速度で丹念に各駅に止まっていく。さすがに、北緯50度近くとなると植生も若干戻ってきて、家畜を放牧する姿も見られる。
この路線、かつては甘河から森林鉄道が延びていたことでも知られているが、何しろ森林鉄道自体が廃止されて久しいということは、かなり林業が衰退しているのかと思ったら、予想を裏切らない衰退振りである。だいたい、站で写真を撮っていたら「あまりおおっぴらに撮らないほうがいい」と言われる土地柄だ。確かに、昔から牙克石地域の公安といえばやかましいと言われており、森林鉄道亡き後、旅行者が足を踏み入れなくなっても変わらないようだ(静止されることはなかったが)。
ということで、RW25Bの窓を開けて写真撮りまくりw

それにしても、無人駅が多い。
交換設備を撤去したばかりか、駅舎までご丁寧に取り壊してしまい、跡形もない。駅周辺には数件の農家しかなく、商店すらもない。閉塞距離は30〜40km、貨物列車との交換は一本、それも砕石積事業用列車のみという有様。日本でいうならかつての深名線、韓国ならさしずめ慶北線が相当するであろうか。
硬座の乗客は結構多く、そんな站ごとでも入れ替わりがある。よく考えてみれば、当地では明日から平日だ。そんなこと関係なしに軟臥・餐車でのんびりと汽車旅を楽しんでいるのは我々くらい。


伊図里河からは南下。
そろそろ昼飯時なので餐車で昼食+麦酒。
嶺北〜嶺南間で峠越えとなるが、両站とも周辺に民家すらない。時刻表に時間は出ているが、こんなところに降りても何もすることはできない。峠越えが終わると、今度は原野の中を進む。南下するに従い、若干集落が見えてきたが、午前中のような「寒村」というわけではないのが救いがある。


牙克石で大量に下車。沿線からここまで働きに出てきているということか。やがて列車は海拉爾に到着。ここで4191次に乗り換えて扎賚諾爾西を目指す。どうにか席は確保できたが、この列車の恐ろしいのは、停留所のような站にも各駅に止まることである。それも海拉爾〜嵯崗の間は平行道路すらない、呼崙貝爾草原のど真ん中を突っ走るのだ。
停留所はかつては駅員がいたので駅舎は残るが、建物はすべて封鎖されており、そもそも線路は柵で囲まれており、どうやって出入りするのか疑問である。それでも站ごとに数名の乗り降りがあり、挙げ句の果てには4WDの白タクが待っているという事実。
誰が乗り降りすんねん
という状況なのだが。
車内では、おっさんが上半身裸になってトランプをやっていたり、何しろ見所には尽きなかった。21時前に扎賚諾爾西に到着し、投宿後夜食。料理が多すぎてここでも打包。