著作権無用。「川と巴士」

本日の日経夕刊に宮沢賢治未発表詩発見の記事が出ていたので、著作権の及ばない詩の部分を引用する。「シグナルとシグナレス」で鉄属性だったのはわかっていたが。

「川とバス」
停車場の向ふに河原があって
水がちよろちよろと流れてゐると
わたしもおもひきみも云ふ
ところがどうだあの水なのだ
上流でげい美の巨きな岩を
碑のやうにめぐったり
滝にかかって佐藤猊粠先生を
幾たびあったがせたりする水が
停車場の前にがたぴしの自働車が三台も居て
運転手たちは日に照らされて
ものぐささうにしてゐるのだが
ところがどうだあの自働車が
ここから横沢にかけて
傾配つきの九十度近いカーブも切り
径一尺の赤い巨礫の道路も飛ぶ
そのすさまじい自働車なのだ

宮沢賢治の作品に目に付く「ところがどうだ」の表現に注目。「鉄」属性に「バス」属性、挙げ句の果てには「鉱石」萌えって。80年先走り過ぎw