「介護ビジネス」大手の蹉跌(3)。

貸借対照表を見ればわかるが、異様に「無形固定資産」の残高が多い。766億の無形固定資産とはいったい何か。ソフトウェアなんぞでそんな多額な資産を計上するはずがない。考えられるのは、過去に買収した企業の「のれん代」が実態に見合っていないほど高額ということ*1、つまりは「株主資本」を溶かし込んだことの証左である。それがどれほど異様なのもかは、ここに説明する。
「有形固定資産」<「無形固定資産」ということは、「実際価値の明らかでないものに多額の資金を突っ込む」、「それを本業よりも重要視している」、ということだ。
グループ全体の貸借対照表損益計算書を見ただけで、これだけのおかしな点が浮き上がってくるのである。新興企業だという言い訳は通用しない。それは創業1〜2年の会社に対して適用される言い訳で、曲がりなりにも一部上場企業がそういう言い訳をするのは見苦しい。そもそも「継続性の原理」という言葉を知らんのか。
他社についても比較すべきではないか、という議論もあろうが、ここはあまりにもその歪が大きすぎるので取り上げてみた。

*1:それには「クリスタル」も含まれるが、実際はそれ以外にも海外企業買収案件が多々あるのかもしれない