よっぽど自腹でカメラを買いたくなかったらしい。

秋篠宮さまがタイを訪問し、「家禽類に関する研究会議」に出席された。タイのシリントン王女も出席するということで、取材しようとしたが、会場側から「プロ仕様でないカメラでの王女関連行事の取材は認めない。コンパクトカメラはプロ仕様ではない」との話があり、取材を断念した。自分のカメラはキヤノンのコンパクトカメラ。王女愛用のデジカメと同種だ。日本では事件取材が長かったので、ポケットに隠せるコンパクトカメラは何かと便利だった。タイ以外の国ではこのカメラでの取材を拒否されたことはなく、撮影した写真は全国紙の一面も含め各紙に使われている。昨年十月、タイ首相府を訪れた際も、職員から「そのカメラはプロ用ではないので、撮影は認めない」と言われた。「プロのカメラの基準は何だ」と聞くと、職員は「(基準は)おれが決める」と言い放った。
これ以上素人扱いされるのは嫌なので、一眼レフのデジカメを買うことにした。しかし、どうも釈然としない。タイ人に素人のような質問をしてみた。「タイの王女はそんなに偉いのか」。タイ人は答えた。「偉いです。ただの記者のあなたと違って」。素人にとって王女は遠い存在だ。(4/2時事通信コラム)

そんなもん、取材用なんだから会社で買えばいいじゃないか。しかしここにも「言い放った」。そうか、ここに源流が。