農村部の余剰労働人口吸収→格差拡大

【北京10日ロイターES=時事】新華社電によると、中国社会科学院は10日、同国の経済面で最も大きい頭痛の種は、農村部の余剰労働者のために仕事を見つけることと、貧富の格差を埋めることだとする報告を発表した。報告は、経済成長のエンジンとしての農業の役割は低下しており、数百万人に上る農村部の余剰労働者らが都市部で雇用先を見つけられずにいると分析。農村部の所得の伸びは、他の地域の国民所得の伸びと比べると鈍く、長期的に見て持続可能なバランスの取れた成長達成を一層困難にする恐れがあると警告した。報告はこのほかの課題として、中央政府が抑制に熱心に取り組んできた生産能力の過剰に引き続き拍車を掛けている企業のやみくもな事業拡大などを指摘。環境を犠牲にしつつ過去10年以上にわたって最も速いペースで成長してきた中国においては、エネルギー面での制約が大きな問題となっていると述べた。

農村部の余剰人口を吸収する先は沿海部しかないのだが、現在の戸籍制度(出生地主義)ならびに社会保険制度(戸籍外では不適用)という制度がある限り、格差拡大に寄与することはあってもその逆は無理なのではないかと。