平均初任給は1,000元?続く大卒の就職難

中国で問題となっている大学生の就職難がより深刻化している。9日付中国紙「21世紀経済報道」は上海での大卒初任給平均は1,000 元(約1万4,400 円)前後に下落し、同市の出稼ぎ労働者の最低賃金635 元と接近しているとの衝撃的事実を伝えた。大卒者の急増といった原因はあるものの、問題の背景には、中国政府の失業対策や大学生と企業側の雇用のミスマッチなどもあり、根本的な就職難の解決にはまだまだ時間がかかりそうだ。教育部によると、2005年秋の大学卒業生は355万人で今年は約400万人に達する見込みとなっている。05年の就職率は72.6%で、単純に計算しても100万人近くの大学生が就職できなかった計算となる。同部では「来年の就職率も05年と同レベルになる」と予測。大学生が急増する一方で、就職率向上は望めないことを正式に認め、就職難は続くとの見方を示している。
就職難の背景には、急速な経済発展が続く中国で一時帰休*1労働者の救済が優先されていることがある。05年の新規雇用は900万人だったが、このうち、レイオフ労働者を対象とした枠は500万人。残りの400万人が事実上の新規就労となっているという。全国で農民の2、3次産業への転職が進められていることもあり、大学生の就職は“後回し”にされる傾向もあるようだ。9日付21 世紀経済報道によると、こうした労働の買い手市場が進む状況で、大学生の初任給は急速に低下。上海など大都市でも初任給1,000〜2,000 元で、最近では、平均初任給1,000 元前後にまで落ち込んでいるという。
同市の民間ステンレスメーカーの採用担当者は同紙に対し、「大卒事務職で初任給1,200元ですぐに応募者は20人以上になる」とし、1,000元代前半でも大卒採用が容易だとした。「市外出身者・女性・広告デザイン志望」の大学生に至っては、「経験さえ積めれば初任給1,000元で十分」と話すなど、職種・条件によって初任給の低下傾向はより鮮明になっている。ただ、同じ民間ステンレスメーカーでも、英語能力を備えた貿易部門の大卒者を3人募集したところ、応募してきた大学生はたったの1人。会社が示した初任給は1,500元プラス歩合給で、英語力を備えた大学生の給与の要求レベルは高く、専門人材の採用は難しい状況という。こうした現象は経験の無い新卒者を低い賃金で雇用しようとする会社側と専門的な技術を持っている大学生のプライドの間で雇用のミスマッチが起きていることを示すものだ。 (1/11NNA)

そりゃ大卒に民工に毛が生えた程度の給料を出せば怒るわ。まあ日本も既に大卒だけでは就職口がないのが実情だから、中国もやっと追いついてくれたか。

*1:下崗=レイオフ